ショート守備を良くしたいと思っても、何から直せば試合で変わるのかが見えず、ノックをたくさん受けているのに安定感が出ないと感じる選手は少なくありません。
遊撃手は打球処理の数が多いだけでなく、二塁ベース周りの連携、深い位置からの送球、前進守備、中継、声かけまで求められるため、ただ捕れればよいという守備では通用しにくいポジションです。
そのため上達の近道は、反応、足運び、捕球、握り替え、送球、判断という流れを分けて理解し、自分がどの段階で崩れているかをはっきりさせたうえで、練習の順番を整えることにあります。
さらに野球練習用品をうまく使えば、チーム練習では不足しがちな反復回数を補いやすくなり、短い自主練でもショート守備に必要な動きを濃く積み上げられます。
この記事では、ショート守備で最初に押さえたい考え方から、上達に直結しやすい基礎練習、用品の選び方、実戦場面での判断、伸び悩んだときの修正法までを、野球練習用品の活用と結びつけながら具体的に整理します。
ショート守備が上達する練習の軸
ショート守備が上達する選手に共通しているのは、難しい打球だけをうまく処理していることではなく、普通の打球を高い確率でアウトに変える再現性を持っていることです。
その再現性を作るには、構えを低くする、送球を強くする、といった単発の意識だけでは足りず、打球が飛ぶ前から投げ終わるまでの流れを一つの連続動作として考える必要があります。
とくにショートは一塁への距離が長く、左右にも前後にも動く場面が多いため、捕球だけ整っても送球が乱れやすく、逆に肩が強くても入り方が悪いとアウトが増えません。
まずは守備を支える基本の軸を整理し、どこを鍛えれば自分のショート守備が安定するのかを明確にしておくと、練習用品の選び方や自主練の組み立て方もぶれにくくなります。
構えは低さより動きやすさを優先する
ショート守備の構えで大切なのは、とにかく低く見える姿勢を作ることではなく、前後左右のどの方向にも最初の一歩を切りやすい状態を作ることです。
深くしゃがみ込みすぎると左右への切り返しが遅れやすくなり、反対に立ちすぎると低い打球に差し込まれるため、腰と膝を軽く使いながら胸を少し前に出し、足裏全体で地面を感じる姿勢が基本になります。
ショートは打者との距離や打球速度の関係から、三塁手のように極端に低く構えるより、やや高めでも動き出しやすい姿勢のほうがプレー全体は安定しやすいです。
構えで固まりやすい選手は、グラブを下げすぎる、かかと重心になる、肩に力が入るという癖が出やすいので、ノック前に軽く跳ねるリズムを入れ、止まりすぎない待ち方を身につけると改善しやすくなります。
鏡や動画で確認すると、自分では低く構えているつもりでも胸が立っていたり、逆に沈み込みすぎていたりすることが多いため、構えは感覚だけでなく見た目でも定期的に整えることが重要です。
一歩目は反応より準備の質で変わる
守備範囲の広さは足の速さだけで決まるわけではなく、打球方向へ最初の一歩を迷わず出せるかどうかで大きく変わります。
一歩目が遅れる選手は反射神経が足りないのではなく、投球と同時に足が止まっている、重心が上下にぶれている、打球の強さを見てから動こうとしているなど、準備段階で損をしていることが少なくありません。
改善のコツは、投手のモーションに合わせて小さくリズムを取り、完全に静止して待つのではなく、動き出せる状態のまま打球を迎えることです。
ラダーやマーカーを使った短いステップ練習は、この一歩目の感覚作りに向いていますが、単純に足を速く回すことだけを目的にすると、守備姿勢とかけ離れてしまうので、必ず前傾姿勢や目線もセットで行う必要があります。
ショートの一歩目は足だけの問題ではなく、顔の向き、肩の向き、グラブの準備、一塁へつなげる体の向きまで含めた初動なので、守備範囲を広げたいなら最初にここを磨く価値が大きいです。
打球への入り方は送球の出口から逆算する
ショート守備では、どの位置で捕るかよりも、捕ったあとにどの方向へ投げるかを先に想像して打球へ入るほうが、アウトを増やしやすくなります。
正面に回り込むことだけを意識すると遠回りになりやすく、逆に横着して横から触りにいくと体勢が流れて送球がぶれやすいため、送球方向へ体重を運べる角度で入ることが重要です。
深い打球、前の打球、逆シングル気味の打球はそれぞれ理想の形が違うので、すべてを同じ捕り方で処理しようとすると、どこかで無理が出てしまいます。
ショート守備が安定している選手ほど、上半身の見た目よりも足の置き方と進行方向を大切にしており、捕球した瞬間に一塁へ投げやすい体勢を先に作っています。
ノックでは捕球できたかどうかだけで終わらせず、捕る前の入り方が送球のしやすさにつながっていたかまで振り返ると、同じ打球でも守備の質を一段上げやすくなります。
捕球はグラブ面と足で安定させる
ゴロを安定して処理したいときに、手先で合わせにいく意識が強すぎると、打球の勢いに押されて面がぶれやすくなります。
ショート守備では、グラブをただ低く置くよりも、打球のラインに対して面を長く見せ、足で距離を調整しながら胸ごとボールへ向けていくほうが、弾く確率を下げやすくなります。
捕球の瞬間に握りにいこうとするとグラブが先に閉じやすいため、まずは入ってきた打球を面で受け止め、次に右手を添える流れを覚えることが大切です。
小型のトレーニンググラブや素手感覚に近い練習は、捕球位置をごまかしにくくするので、どこで当てているかを把握したい選手に向いています。
ただし練習用品で形が良くなっても、試合用グラブに戻した途端に深く捕りすぎることもあるため、仕上げは必ず普段のグラブでも同じ面と同じ距離感を再現して終えるべきです。
握り替えは手先で急がず流れで速くする
ショートは一塁までの距離が長いので、捕ってからすぐ投げなければという意識が強くなりやすいですが、握り替えだけを急ぐとボールが暴れて結局送球が遅れます。
本当に速い握り替えとは、指先を素早く動かすことではなく、捕球位置と胸の前の持ち替え位置がそろっていて、下半身の動きが止まらないまま送球へつながる状態です。
焦りやすい選手は、捕球後に手元ばかり見てしまい、視線が下へ落ちて足が止まるので、一塁方向へ顔を切り替えながら体を運ぶ意識を持つだけでもリズムが変わります。
柔らかいボールやハンドリング用の練習用品を使って、捕球から胸元での持ち替え、踏み出しまでを連続して反復すると、手先だけに頼らない握り替えが身につきやすくなります。
ショート守備では捕ってから投げるまでを別々に考えず、捕球の終わりが握り替えの始まりになるような連続性を作ることが、速さと正確さを両立する近道です。
送球は腕より下半身で方向を作る
ショートの送球ミスは肩の強さ不足と思われがちですが、実際には捕球後の足順が乱れ、体の向きが整わないまま腕だけで投げていることが原因である場合が多いです。
深い位置からの送球や前進守備ではとくに、捕球した勢いに上体が引っ張られやすいため、先に一塁方向へ下半身を運び、腕はその流れに乗せて振るほうが球筋は安定します。
ショート守備が上手い選手は、肩が特別に強いからアウトを取っているのではなく、足で作った力と体重移動をボールへ素直に伝えているので、無理のない送球が続きます。
ターゲットネットや送球用の的を使う練習では、速い球を投げることより、捕球から同じ足順で同じ高さへ出せるかを確認したほうが、実戦に近い安定感を作れます。
送球を改善したいときほど遠投ばかり増やすのではなく、短い距離で足順と方向をそろえ、その再現性ができてから距離と強度を上げる考え方が有効です。
併殺は優先順位を固定して乱れを減らす
二塁ベース周りの併殺プレーは難しそうに見えますが、毎回完璧な形を求めるより、何を先に守るべきかの優先順位を固定しておくほうが成功率は上がります。
とくに一塁走者を二塁で確実にアウトにすることを最優先にし、そのうえで一塁送球へ移る考え方を持っておくと、焦って二つとも失う場面を減らせます。
| 場面 | 最初に意識すること | 崩れやすい失敗 |
|---|---|---|
| 二塁ベースカバー | まず塁を使って一つ取る | 送球前に早く離れて落球する |
| 正面の併殺打 | 余計なステップを減らす | 捕ってから足が止まる |
| 逸れた送球 | 無理に二つ狙わない | 雑に触って後ろへそらす |
| 走者接近時 | 軸足と視線を先に整える | 慌てて上体だけで投げる |
併殺が苦手な選手ほど、速く投げることだけに意識が偏り、受ける足と投げる足のリズムが毎回変わっているので、まずはゆっくりしたテンポで同じ足順を繰り返し、形を固定してから速度を上げるべきです。
ショートの併殺は肩の強さより整理された判断と足のリズムで決まるので、ベースの入り方、捕球位置、送球の出口を一セットで覚えることが実戦で効いてきます。
カバーと声で自分以外の守備も安定させる
ショート守備は自分が打球を処理する場面だけを磨いても不十分で、内野全体の連携を落ち着かせる役割まで含めて守備力と考える必要があります。
フライの声、盗塁時のベースカバー、送球がそれたときのバックアップが遅れると、記録上のエラーがなくても余計な進塁を許して失点につながりやすくなります。
- 誰が捕るのかを短くはっきり伝える
- ノックが自分に来なくても毎球次の動きを予測する
- 送球が逸れた場合のカバー位置を先に決める
- 走者状況でベースカバーの優先を変える
- 味方の体勢を見て投げ先の声を補う
声は大きさだけでなく中身が重要で、捕る人、塁、時間的余裕を端的に伝えるほど、味方の判断が速くなります。
ショートが周囲を動かせるようになると守備全体のテンポが良くなり、自分の守備範囲だけでは防げない失点まで減らせるので、連携の質は個人技と同じくらい鍛える価値があります。
ショート守備の基礎を固める練習メニュー
ショート守備を効率よく伸ばすには、ノックを何球受けたかよりも、どの課題を改善するための練習なのかが明確になっていることが重要です。
自主練では時間が限られるので、一人でできる反復、二人で精度を上げる反復、チームでしかできない連携練習を分けておくと、足りない部分を埋めやすくなります。
また、同じゴロ捕球でも、一歩目を速くしたいのか、捕球面を安定させたいのか、送球まで含めて整えたいのかでやり方は変わります。
ここではショート守備と相性が良く、野球練習用品も活用しやすい基礎メニューを三つの視点から整理します。
一人練習はネットと壁で反復回数を稼ぐ
自主練で最も導入しやすいのは、壁当てやリバウンドネットを使って、一人でもゴロ処理の回数を増やす方法です。
とくに跳ね返りの角度を変えられるタイプは、正面捕球だけでなく左右の一歩目、前進処理、ハンドリングの反復にも使えるため、ショート守備の基礎作りに向いています。
- 正面の返球で構えと捕球面を確認する
- 角度を変えて左右への初動を鍛える
- 捕球後に一塁方向へ踏み出して送球動作まで入れる
- 柔らかいボールで室内でも回せる形を作る
- テーマを決めて同じ癖を繰り返さないようにする
ただ返ってきたボールを捕るだけでは単調になりやすいので、今日は正面限定、今日は逆シングル中心というように目的を分けると、練習用品の価値が上がります。
一人練習は便利な反面、楽な姿勢のまま回数だけこなすと悪い癖も固まりやすいため、動画で姿勢を確認しながら行うことが自主練の精度を高めるコツです。
二人練習は捕球から送球までを切らさない
二人で行うショート守備の基礎練習では、捕球だけで終わらせず、一塁送球までを一つの流れとして反復することが大切です。
前進して捕るゴロ、左右へ動くゴロ、深い位置で処理するゴロをそれぞれ混ぜながら、一塁へ正確に投げ切るところまで行うと、試合に近いテンポで練習できます。
このとき送球がそれた球だけでなく、捕球位置が悪くて投げるまでに時間がかかったケースも失敗として扱うと、守備の質をより正確に評価できます。
ショートは正面のゴロだけでなく、三遊間寄りの打球、前の弱いゴロ、イレギュラー気味のバウンドにも対応しなければならないため、練習で打球の種類を意図的に散らすことが重要です。
二人練習の段階で捕球と送球を切り離さない習慣がつくと、試合でも焦って手元だけで処理する場面が減り、アウトを取る形が安定しやすくなります。
練習メニューは目的ごとに表で管理する
ショート守備が伸び悩むときは、練習不足よりも、何を改善する日なのかが曖昧なまま回数だけ増えていることがよくあります。
そこで練習を目的別に整理し、今日は反応、今日は捕球、今日は送球というように役割を分けると、短時間でも内容が濃くなります。
| 目的 | 向く練習 | 使いやすい用品 |
|---|---|---|
| 一歩目を速くしたい | 短い反応ステップ | ラダーやマーカー |
| 捕球を安定させたい | 正面と左右の反復捕球 | トレーニンググラブ |
| 一人で回数を増やしたい | 跳ね返りを使う守備練習 | リバウンドネット |
| 送球精度を上げたい | 捕球後の的当て反復 | ターゲットネット |
| 連携を整えたい | 二塁ベース周りの反復 | コーンやマーカー |
表にしておくと、次の練習で何を増やすべきかが見えやすくなり、用品を買い足すべきか、まず基本を詰めるべきかの判断もしやすくなります。
結果として、忙しく練習しただけで終わる状態を避けられるので、ショート守備を計画的に伸ばしたい選手ほど管理の視点を持つ価値があります。
ショート守備に役立つ野球練習用品の選び方
野球練習用品は種類が多く、守備を良くしたいという気持ちだけで選ぶと、実際には自分の弱点と合わない道具を買ってしまうことがあります。
大切なのは高価な用品をそろえることではなく、反応を鍛えたいのか、捕球位置を直したいのか、送球まで含めて整えたいのかを先に決めることです。
また、どんな用品でも使うだけで上達するわけではなく、何を意識し、どの順番で反復し、最終的に試合用グラブや実戦動作へどう戻すかまで設計して初めて効果が出ます。
ここではショート守備との相性が良く、自主練にも取り入れやすい用品の見方を整理します。
トレーニンググラブは捕球位置の矯正に向く
捕球の安定感を高めたい選手に相性が良いのが、通常のグラブより小さく、捕球位置をごまかしにくいトレーニンググラブです。
このタイプは網や指先で引っかけて捕る癖が残りにくく、面を作って芯に近い位置で受ける感覚を身につけやすいため、ショート守備の基礎修正に使いやすい用品です。
とくに正面のゴロで弾きやすい選手や、握り替えでボールが暴れやすい選手は、どこで捕っているかを明確にできるので、原因を見つけやすくなります。
ただし小型グラブだけに慣れると試合用グラブへ戻したときに深く捕りすぎることがあるため、トレーニンググラブは矯正用と割り切り、最後は必ず通常グラブで同じ形を再現する段階が必要です。
練習用品として優秀でも万能ではないので、捕球位置を直したいのか、単純に守備回数を増やしたいのかを分けて使うことが失敗しない選び方になります。
ネット系用品は目的で使い分けると失敗しにくい
一人練習の相棒として便利なのがネット系の用品ですが、跳ね返りを作るのか、送球の的を作るのかで向いている用途は変わります。
ショート守備の上達を狙うなら、捕球の反復がしたいのか、送球まで通して整えたいのかを先に決めると、選ぶべきネットの方向性がはっきりします。
| 用品タイプ | 向いている目的 | 選ぶときの注意点 |
|---|---|---|
| リバウンドネット | 一人で捕球回数を増やす | 返球角度と設置場所を確認する |
| ターゲットネット | 送球コースを安定させる | 捕球後の足順まで含めて使う |
| 簡易ネット | 軽い反復や室内練習 | 球種や強度に限界がある |
| 大型ネット | 屋外で広く反復する | 持ち運びや収納性を見て選ぶ |
ネットは便利さだけで選ぶと、置いたまま使わなくなることも多いので、どこで使うか、何分で準備できるか、軟式か硬式かまで事前に考えておくと失敗が少なくなります。
ショート守備では捕って終わりではなく投げて完成するため、リバウンドネットで捕球し、次にターゲットへ送球するような組み合わせも相性が良いです。
ラダーとコーンは守備動作につなげて使う
俊敏性アップ用の用品として定番のラダーやコーンは、使い方を間違えると足だけ速くなって守備にはつながらないことがあります。
ショート守備で必要なのは、細かく足を動かす能力そのものより、構えた姿勢から左右前後へ素早く方向転換し、捕球体勢へ無理なく入ることだからです。
- ラダーは守備姿勢のまま短く素早く行う
- コーンは打球への入り方を想定して配置する
- 最後に必ず捕球や送球動作へつなげる
- 速さだけでなく目線と重心の安定を確認する
- 疲れて形が崩れる前に区切って行う
たとえばラダーのあとにコーンへ一歩目を切り、そこからゴロを捕る流れを作ると、単なる敏捷性練習ではなくショート守備に近い反復になります。
練習用品は単体で完結させず、最終的に捕球や送球へ結びつけるほど効果が高まるので、ラダーやコーンも必ず守備動作の中で使うことが大切です。
ショート守備で差がつく実戦場面の考え方
基礎練習ができるようになっても、試合でショート守備が不安定になるのは、場面ごとの優先順位が曖昧なままプレーしていることが原因になりやすいです。
ショートは同じゴロでも、三遊間の深い打球、前進して処理する弱い打球、二塁ベース周りの連携では求められる形が違います。
つまり、基本を一つ覚えただけでは足りず、どの場面で何を優先するかを知っておくことで、試合中の迷いを減らせます。
ここでは、ショート守備で差がつきやすい三つの場面を取り上げ、練習で何を意識すべきかまでつなげて整理します。
三遊間の深い打球は送球可能な体勢を残す
三遊間寄りの深い打球は、ショートらしさが出る場面ですが、無理に正面で捕ろうとすると追いつけず、逆に届いたあとに体勢が流れて送球が乱れやすくなります。
この場面では、完璧な形で捕ることよりも、一塁へ投げられる体勢をどれだけ残せるかが重要で、グラブさばきと同じくらい足の置き方が結果を左右します。
逆シングル気味で入る場合も、見た目のきれいさより、捕球後に足が止まらず送球へ移れるかを優先したほうがアウトは増えます。
練習では、左右へ大きく振られる打球を受けるだけでなく、捕球後に一塁送球まで行い、どの角度なら自分がもっとも投げやすいかを確認することが大切です。
深い打球を処理できるショートは華やかに見えますが、実際には無理を見極める判断も含めて上手さなので、届く範囲と投げられる体勢の両方を冷静に把握することが失敗を減らします。
前進守備とバント処理は慌てず足を運ぶ
前の弱い打球やバント処理では、早く捕らなければという意識が強くなり、上体から突っ込みやすいので、ショート守備の中でも特に足運びの整理が必要です。
焦って手だけ先に出すと、打球の勢いに差し込まれたり、握り替えで止まったりして、一塁送球が間に合わなくなることがあります。
- 最後の数歩は細かくして打球との距離を合わせる
- 捕球の瞬間に頭を突っ込ませすぎない
- 送球先を先に見て握り替えへつなげる
- 無理な体勢なら一つのアウトを優先する
- バントでは誰が処理するかの声を早めに出す
前進守備はスピード感が目立ちますが、実際には減速と細かい調整のうまさで差がつくので、ただ全力で突っ込む練習では足りません。
コーンを置いて進入角度を決めたり、柔らかいボールで前進捕球からの送球を反復したりすると、怖さを減らしながら実戦感覚を育てやすくなります。
二塁ベース周りは役割を表で整理しておく
二塁ベース周りの連携は、頭で理解していても試合のスピードの中では混乱しやすいので、平常時に役割を整理しておくことが大切です。
誰がベースへ入るのか、どの送球を優先するのか、逸れたときはどうするのかが曖昧だと、個人の技術があっても併殺やフォースアウトの成功率が落ちます。
| 場面 | ショートの主な役割 | 意識したい点 |
|---|---|---|
| 一塁走者ありの内野ゴロ | 二塁ベースカバー | まず一つ目のアウトを確実に取る |
| 盗塁時 | 二塁の受け手またはバックアップ | 投手と捕手の流れを見て入り方を合わせる |
| バント処理 | 二塁または一塁のカバー | 打球方向で役割を即座に変える |
| 中継プレー | 内野のつなぎ役 | 走者と打球の両方を見て位置を取る |
表で整理してから練習に入ると、なぜそこへ動くのかが理解しやすくなり、ただ形をなぞるだけの連携練習になりにくくなります。
ショート守備は個人技の印象が強い一方で、試合では役割理解の差が失点に直結しやすいので、連携の設計まで含めて守備力と捉えることが必要です。
ショート守備が伸びないときの見直し方
練習しているのにショート守備が良くならないと感じるときは、努力が足りないのではなく、原因の切り分けができていないことがよくあります。
エラーが続く場面を細かく見ると、一歩目の遅れ、入り方の悪さ、捕球面のぶれ、握り替えの焦り、送球足の乱れなど、問題は一つではないことがほとんどです。
そのため結果だけを見て落ち込むのではなく、どの段階で崩れたのかを順番に確認し、次の練習で何を修正するかまで落とし込むことが大切です。
最後に、伸び悩みの場面で役立つ見直し方を三つの視点から整理します。
エラーの原因は一つずつ分解して考える
同じように見えるエラーでも、実際には反応ミス、足運びの遅れ、捕球面のぶれ、焦りによる握り込みなど、原因はまったく違うことがあります。
たとえば三遊間の打球を弾いた場面でも、届いているのに面がぶれているのか、そもそも入り方が悪くて体勢が流れているのかで、必要な練習は大きく変わります。
改善の第一歩は、失敗した直後に打球方向、バウンド、捕球位置、送球結果を短くメモし、自分がどこで崩れたのかを見える形にすることです。
感覚だけで振り返ると毎回違う理由を想像してしまいやすいので、事実を積み上げて似た失敗を見つけるほうが、ショート守備の修正ははるかに進めやすくなります。
原因を分けて考えられるようになると、用品選びも正確になり、反応を直したいのにグラブばかり変えるような遠回りを避けやすくなります。
送球難は足順と視線から点検する
ショート守備で送球が乱れると腕の振りや肩の強さばかり気にしがちですが、多くの場合は捕球後の足順と視線の置き方に原因があります。
とくに深い位置や前進守備では、捕ることに意識が偏ると上体が突っ込み、そのまま手先だけで投げる形になりやすいため、球が浮いたり引っかかったりしやすくなります。
- 捕球後に一塁方向へ足を運べているか
- 胸が早く開きすぎていないか
- 握り替えで視線が下を向きすぎていないか
- 投げる前に体が止まりすぎていないか
- 毎回同じ足順で処理できているか
送球難を直したいときほど、近い距離で正確に投げる練習から始め、足順を固定してから距離と強さを上げるほうが、腕力に頼らない安定感を作りやすくなります。
的を使った練習用品は球筋だけを見がちですが、捕球からの足運びとセットで使えば、ショート守備の送球改善にかなり役立ちます。
記録を取ると改善点が具体化しやすい
ショート守備の上達を早めたいなら、練習内容と失敗の傾向を記録し、次回のメニューに反映させる仕組みを持つことが効果的です。
難しい管理は不要で、日付、練習内容、良かった点、崩れた点、次にやることを短く書くだけでも、改善の方向がかなり明確になります。
| 記録する項目 | 確認したいこと | 次回へのつなげ方 |
|---|---|---|
| エラーの種類 | 捕球か送球かを分ける | 練習の比重を変える |
| 打球の方向 | 正面か左右かを確認する | 苦手方向の反復を増やす |
| 使った用品 | 効果があったかを振り返る | 継続か変更かを決める |
| 体の感覚 | 疲労や怖さの有無を見る | 練習量や順番を調整する |
| 試合で出た課題 | 練習との差を探す | 実戦に近い反復へ変える |
記録があると、上達していないように感じる時期でも少しずつ改善している点を確認しやすく、焦って練習方法を大きく変えすぎる失敗を防げます。
ショート守備は感覚の競技に見えて、実際には課題の整理で伸び方が大きく変わるので、記録は地味でも効果の高い練習用品の一つと考えてよいくらいです。
ショート守備を強みに変えるために
ショート守備を上達させる近道は、派手な好プレーを追いかけることではなく、構え、一歩目、打球への入り方、捕球、握り替え、送球、連携という流れを切らさずに磨くことです。
そのうえで、トレーニンググラブ、リバウンドネット、ターゲットネット、ラダー、コーンといった野球練習用品を、自分の弱点に合わせて使い分けると、短い自主練でも反復の質を高めやすくなります。
また、ショート守備は捕れたかどうかだけでなく、投げられる体勢に入れていたか、足順がそろっていたか、味方と連携できていたかまで含めて評価すると、練習の方向がぶれにくくなります。
練習しても伸びないと感じたときは、結果だけで判断せず、どの段階で崩れたのかを分解し、次回のメニューと用品選びに反映させれば、ショート守備は着実に強みに変えていけます。


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