野球のアームカバーは、なんとなく格好いいから着ける物だと思われがちですが、実際には汗対策、紫外線対策、肌当たりの調整、軽い圧迫による感覚の安定など、かなり実用寄りの理由で使われることが多い道具です。
ただし、着ければ誰でも投げやすくなるわけではなく、サイズが合っていない、素材が暑すぎる、所属チームの規定に合わない、洗い方が雑で伸びてしまうといった状態では、むしろ使いにくさの原因になります。
特に野球は、投手、内野手、外野手、打者、走者で腕に求める感覚が違う競技なので、同じアームカバーでも合う人と合わない人がはっきり分かれやすく、選び方と使い方を切り分けて考えることが大切です。
この記事では、野球でアームカバーを使う意味を先に整理したうえで、失敗しない選び方、洗い方と干し方、長持ちさせる保管、試合と練習での使い分け、よくある悩みへの答えまで、野球用品の手入れという視点も含めて丁寧にまとめます。
野球のアームカバーは必要か
結論から言うと、野球のアームカバーは全員に必須ではありませんが、汗や紫外線の影響を減らしたい人、腕まわりの感覚を一定にしたい人、長い練習でも肌の不快感を抑えたい人には役立つ可能性が高い道具です。
一方で、過度な着圧を期待したり、痛み対策を丸ごと任せたりすると判断を誤りやすく、道具の役割を正しく理解したうえで、フォーム、練習量、休養、手入れとセットで考える視点が欠かせません。
まずは、野球のアームカバーに何を期待してよいのか、逆に何を期待しすぎないほうがよいのかを整理すると、買う前の迷いも、買った後の後悔もかなり減らせます。
役割は固定よりも状態を安定させること
野球のアームカバーの役割は、腕を強く固定することより、汗でべたつく感覚や日差しによる不快感を抑え、プレー中の腕まわりの状態をできるだけ一定に保つことだと考えると理解しやすいです。
軽い圧迫で肌当たりが落ち着く、ユニフォームやアンダーシャツとの擦れが減る、汗を吸って乾きやすくなるといった変化は、長時間の練習や連戦で地味に効いてくる部分であり、見た目以上に実用品としての価値があります。
ただし、アームカバー自体に治療効果があるわけではなく、肘や前腕の痛みを根本から改善したり、投球フォームの乱れを自動で正したりする物ではないので、過大評価すると判断を誤ります。
使って快適だと感じる人は、腕の表面温度や汗の不快感、衣類との摩擦が減ることで集中しやすくなっている場合が多く、逆に窮屈だと感じる人は、締め付けや縫い目の位置が感覚の邪魔になっていることが少なくありません。
つまり必要かどうかは、腕を守る特別な装備として考えるより、自分のプレー環境を整える補助道具として考え、その目的に合うなら使うという判断が最も失敗しにくいです。
日焼けと汗対策では体感差が出やすい
夏の屋外練習が多い選手にとって、アームカバーの価値が最もわかりやすいのは、日焼けと汗対策の場面で、特に長袖アンダーを着るほどではないが腕をむき出しにもしたくない時に使いやすい点です。
腕に直射日光が当たり続けると、肌の熱さやヒリつきが気になりやすく、汗と砂ぼこりが混じることで不快感も増えますが、通気性のよいアームカバーなら、肌を覆いつつベタつきを軽減しやすくなります。
打撃練習、ノック、外野での守備練習のように、同じ姿勢や反復動作が続く場面では、腕の内側に汗がたまりやすく、グリップ感やボールの持ち替えに気が散ることがあるため、こうした小さなストレスを減らす意味は意外に大きいです。
ただし、厚手で乾きにくい生地を選ぶと、覆うことで逆に熱がこもりやすくなるので、真夏は冷感表示だけで決めず、薄さ、吸汗速乾、通気性、肌離れのよさまで見て選ぶことが大切です。
日焼け対策目的で導入する場合でも、着けた瞬間のひんやり感だけで判断せず、二時間後、三時間後に蒸れや重さを感じないかまで想像して選ぶと、実戦での満足度が上がります。
投手と野手では合う使い方が変わる
投手と野手では、アームカバーに求める感覚がかなり違い、投手はリリース時の繊細な感覚や腕振りの再現性を重視するため、少しの縫い目や締め付けでも気になることがあります。
一方で野手は、守備中の汗対策、打席での肌当たり、走塁時の不快感軽減など、投球だけに限らない場面で利点を感じやすく、多少のフィット感があっても気になりにくい選手が少なくありません。
投手が使う場合は、ブルペンやキャッチボールで必ず試し、リリースポイントがずれる感じはないか、前腕の回内回外が窮屈にならないか、肘の曲げ伸ばしで引っかかりが出ないかを細かく確認するべきです。
野手が使う場合も、送球時だけでなく、打撃練習やスライディング後の砂の入り方、汗をぬぐいたくなる回数の変化など、試合全体での快適性を見ると、本当に自分に合うかどうかが判断しやすくなります。
結局のところ、野球のアームカバーはポジションによって使う目的が変わるので、周囲が着けているから同じ物を選ぶのではなく、自分のプレーでどの瞬間に役立てたいかを先に決めるのが近道です。
季節によって必要な機能は変わる
アームカバーを一年中同じ基準で選ぶと失敗しやすく、真夏は冷感、吸汗速乾、薄さ、UV対策を優先し、春や秋は冷えすぎない適度な保温感や肌当たりのやわらかさを重視したほうが使いやすいです。
特に朝夕が冷える時期は、投げ始めに腕が重く感じやすいため、薄すぎる物より少し密度のある生地のほうが安心感を得やすく、ウォームアップから試合序盤までの感覚を整えやすくなります。
逆に真夏は、保温感のあるタイプをそのまま使うと汗抜けが悪くなり、プレー後半ほど不快感が増えて外したくなるので、季節をまたいで同じ一枚だけで済ませようとしないほうが結果的に満足度は高いです。
オフシーズンの室内練習や筋力トレーニングでは、腕を冷やしすぎないことが重要な場面もありますが、炎天下のノックや走り込みでは、熱のこもりにくさが優先されるため、用途別に使い分ける発想が欠かせません。
買い替えの頻度を抑えたいなら、万能な一枚を探すより、夏用とそれ以外で役割を分けるほうが失敗が少なく、手入れ中の予備も確保しやすくなります。
向いている人は目的がはっきりしている人
野球のアームカバーが向いているのは、腕を覆う理由が明確な人であり、見た目や流行だけで選ぶより、汗、日差し、肌荒れ、冷え、ユニフォームとの擦れなど、具体的な悩みがある人ほど恩恵を感じやすいです。
逆に、締め付けに敏感な人や、腕の感覚変化に強いこだわりがある投手は、相性次第で違和感が勝つこともあるため、最初から試合投入を前提にするのではなく、練習で適性を見極める時間を取りたいところです。
- 日差しの強い環境で練習することが多い人
- 汗で腕がべたつく感覚を減らしたい人
- 長時間の練習で肌の擦れが気になる人
- 軽いフィット感があるほうが落ち着く人
- 季節に応じて装備を細かく変えられる人
向いていないわけではないが慎重に選びたいのは、リリース時の感覚差に敏感な投手、締め付けでかえって疲れる人、暑がりで腕を覆うだけで集中が落ちる人で、そうした場合は素材の薄さと縫い目の位置が重要になります。
自分が向いているか迷うなら、練習後に腕の不快感が減ったか、汗をぬぐう回数が減ったか、外したくなる場面が減ったかを基準にし、周囲の評価より本人の体感を優先して判断するのが正解です。
ルールは買う前に確認したほうが安全
アームカバーは野球ならどのカテゴリーでも自由に使えると思われがちですが、実際には所属団体や大会ごとに扱いが違うため、買ってから使えないと気づく失敗を避けるには、最初に規定を確認するのが最も確実です。
一般的には、色、商標の見え方、片腕だけの着用可否、投手か野手かといった点が確認対象になりやすく、練習では問題なくても公式戦では認められないケースがあるので、普段使いと試合用を分ける発想も必要です。
| カテゴリー | 確認の優先点 | 見落としやすい点 |
|---|---|---|
| 高校野球 | 大会規定の確認 | 使用可と決めつけること |
| 大学・一般 | 色と商標 | 投手と野手の扱い差 |
| 草野球 | リーグ独自規定 | 対戦相手との認識差 |
| 少年野球 | チーム方針 | 安全面だけで判断すること |
全日本野球協会が公表している2021年7月15日付の通達では、投手以外は片腕だけの着用を認める一方、投手が使う場合は両袖の長さを同一にすること、商標表示は認めず色はアンダーシャツと同色とすること、高校野球では使用を認めないことが示されています。
そのため、ルール面で迷ったら商品ページの機能説明より先に所属連盟や大会要項を確認し、練習で使えても公式戦では使えない可能性があると理解しておくと、購入後のトラブルを防ぎやすくなります。
失敗しないアームカバーの選び方
野球のアームカバー選びで最も多い失敗は、人気ブランドや見た目で決めてしまい、サイズ感、素材、使用場面の三つを切り分けないまま買うことです。
アームカバーは、ほんの少しの締め付け差や生地の厚み差で体感が大きく変わる用品なので、グラブやバットほど高額ではなくても、選び方に基準を持っておいたほうが無駄な買い替えを減らせます。
ここでは、野球で実際に使いやすい一枚を選ぶために、サイズ、素材、色とデザインの三方向から見ていきます。
サイズは上腕周囲を基準に考える
アームカバー選びで最優先にしたいのはサイズで、手首や前腕が入るかどうかだけで決めるのではなく、最もずれやすい上腕側が苦しくないか、逆に緩すぎて落ちてこないかを基準に考えるべきです。
メーカーごとに適応範囲は異なりますが、実際の商品でも上腕周囲を目安にサイズが示されることが多く、ここを無視して見た目だけで選ぶと、着用感の不満が出やすくなります。
| 状態 | 起こりやすい失敗 | 見直す点 |
|---|---|---|
| きつすぎる | しびれ感や疲れ | 上腕サイズ |
| ゆるすぎる | ずり落ちる | 口ゴムの強さ |
| 長すぎる | 肘で余る | 全長 |
| 短すぎる | 隙間が気になる | 着用範囲 |
試着できない場合は、普段のアンダーシャツの袖感覚を基準にせず、上腕の一番太い部分を測り、数値が境目にあるなら、投手は締め付けすぎを避ける方向、野手や走塁中心ならずれにくさを優先する方向で選ぶと失敗しにくいです。
また、新品時に少しぴったりでも、洗濯や着脱を繰り返すと生地がなじむことがあるため、最初から余裕を取りすぎると、数回使用後にずり落ちやすくなることも覚えておきたいポイントです。
素材と縫製で快適さは大きく変わる
野球用のアームカバーは、同じように見えても、生地の薄さ、伸び方、通気性、肌離れ、縫い目の当たり方で快適性がかなり変わるため、素材と縫製を軽視すると使用感の差に驚きます。
真夏中心なら、薄手で吸汗速乾性が高く、汗をかいても肌に張り付きにくいタイプが使いやすく、春秋や夜間練習も含めるなら、薄すぎず冷えすぎない生地のほうが落ち着くことがあります。
縫い目が肘の曲げ伸ばしやリリース動作で当たる位置にあると、それだけで気になって外したくなるため、投手ほどフラットな縫製や肌当たりのやわらかさを重視したほうが満足度は高くなりやすいです。
また、ロゴの圧着やプリントが多い製品は、見た目は映えても、洗濯を重ねた時に剥がれや擦れが気になることがあるので、手入れを重視するなら装飾が少なめのモデルは扱いやすいです。
素材選びでは、冷感、着圧、UV、軽量という言葉だけで決めず、実際に自分が嫌なのは蒸れなのか、ずれなのか、締め付け不足なのかを明確にすると、必要な機能が絞りやすくなります。
色とデザインは試合で使える範囲を優先する
野球のアームカバーは色の選択肢が多く、黒、紺、白、チームカラー系など魅力的な物が増えていますが、実際には試合で使えるかどうかが最優先で、デザイン性はその後に考えるほうが安全です。
特に公式戦を視野に入れる場合は、アンダーシャツとの色合わせ、ロゴの見え方、片腕だけ着けた時の見た目を事前に確認しないと、練習用には良くても試合で外すことになり、使い分けが面倒になります。
- チームのアンダーシャツと色が合うか
- ロゴが目立ちすぎないか
- 左右で違和感が出ないか
- 汚れが目立ちすぎないか
- 洗濯後に色落ちしにくそうか
白は清潔感がありますが土汚れや日焼け止めの付着が見えやすく、黒や紺は見た目が締まる一方で真夏は熱を感じやすいと感じる人もいるので、使用季節と手入れの手間を含めて選ぶと納得しやすいです。
結局、色やデザインは最後の決め手であって、サイズと素材が合っていなければ満足度は上がらないので、見た目で迷った時ほど、まず実用条件に戻って判断するのがおすすめです。
長く使うための洗い方と干し方
アームカバーは肌に直接触れ、汗や皮脂を吸いやすい用品なので、野球用品の中では意外と汚れがたまりやすく、洗い方が雑だと臭い、伸び、毛羽立ち、ロゴ剥がれが起きやすくなります。
しかもグラブやスパイクと違って小さいため、ついユニフォームと一緒にまとめ洗いしがちですが、ここで乾燥機や強い洗剤を使うと、生地の機能低下や口ゴムの弱りが早まります。
快適に使い続けるには、毎回きれいにすること以上に、機能を落とさず洗うことが重要で、手入れの手順を最初に決めておくと、長持ちしやすくなります。
基本は中性洗剤でやさしく洗う
アームカバーの手入れは、基本的に中性洗剤を使ったやさしい手洗いが最も安全で、汗や皮脂を落としつつ、生地の伸縮性やプリント部分への負担を抑えやすい方法です。
実際にサポーターブランドでも、ぬるま湯と中性洗剤での手洗い、洗濯機を使うならネットに入れて弱水流、乾燥機、柔軟剤、漂白剤は避けるという案内がされており、強い洗い方は基本的に不向きだと考えてよいです。
| 項目 | おすすめ | 避けたいこと |
|---|---|---|
| 洗剤 | 中性洗剤 | 漂白剤入り |
| 水温 | ぬるま湯 | 高温のお湯 |
| 洗い方 | 手洗い | 強いもみ洗い |
| 乾燥 | 陰干し | 乾燥機 |
洗う時は、汚れが目立つ口部分や肘まわりだけを強くこするのではなく、全体を軽く押し洗いして十分にすすぐことが大切で、洗剤残りがあると肌当たりが悪くなったり臭い戻りの原因になったりします。
毎回手洗いが難しい場合でも、少なくとも試合で使う物や高機能素材の物は別洗いを基本にし、ユニフォームや泥汚れの強い物と一緒に回さないだけで傷み方はかなり変わります。
臭いと皮脂汚れは流れを決めると残りにくい
アームカバーの臭いが取れない原因は、単純な汗だけでなく、皮脂、日焼け止め、土ぼこり、洗剤残りが重なっていることが多いため、洗う順番を毎回同じにして汚れを残しにくくするのが効果的です。
特に夏場は、使った直後に放置すると湿気がこもって臭い戻りしやすいので、バッグの底に入れっぱなしにせず、帰宅までに一度広げておくだけでも状態がかなり変わります。
- 使用後は早めに裏返して湿気を逃がす
- ぬるま湯で軽く予洗いする
- 中性洗剤で押し洗いする
- 洗剤分が残らないよう十分にすすぐ
- タオルで水気を取り陰干しする
臭いが気になるからといって香りの強い柔軟剤でごまかすと、吸汗速乾素材ではかえって機能低下につながることがあるので、臭い対策は香りより汚れを残さないことを優先したほうが結果は安定します。
また、連日使う時は一枚だけを酷使せず、最低でも二組を回すようにすると、乾ききらないまま再使用することが減り、臭いと劣化の両方を抑えやすくなります。
保管が悪いと伸びと型崩れが進みやすい
洗い方に気をつけていても、保管が雑だとアームカバーは意外に早く傷みやすく、濡れたまま丸めてバッグに入れる、直射日光の当たる車内に放置する、他の用具の下敷きにするという扱いは避けたいところです。
口ゴム部分は特に負担が集中しやすいため、引っ張った状態のまま掛けておくより、乾いた後に軽くたたんで平らに保管するほうが伸びにくく、次回のフィット感も安定しやすくなります。
土や松やにが付着したまま保管すると、生地表面の摩耗が進みやすく、見た目のくすみだけでなく肌当たりのざらつきにもつながるので、汚れたままの長期放置は避けるべきです。
予備を持つ場合は、試合用と練習用を分けておくと管理しやすく、試合前に急いで洗濯状態を確認する必要も減るため、結果的に道具の寿命だけでなく準備の質も上がります。
長持ちさせたいなら、洗う、干す、しまうのどれか一つだけを頑張るのではなく、使用後の湿気を残さないことを軸に一連の流れを整えることが最も重要です。
試合と練習での使い分け
アームカバーは一度使い始めると毎回同じ感覚で着けたくなりますが、野球では練習と試合で優先順位が変わるため、場面ごとに使い方を調整したほうが実用性は高くなります。
練習では快適性や試しやすさを重視できますが、試合ではルール適合、見た目の統一感、違和感のなさが重要になり、同じ一枚でも評価基準が変わります。
この違いを理解しておくと、練習では快適だったのに試合で気になったという失敗を減らしやすくなります。
夏場の練習では涼しさより蒸れにくさを見る
夏の練習でアームカバーを使う時は、着けた瞬間のひんやり感だけでなく、二時間以上動いた後に蒸れないか、汗をかいた後に重く感じないかを重視したほうが、結果的に集中を切らしにくくなります。
特に野球は、短時間の全力動作と待機時間が交互に来るため、ランニング用の快適さがそのまま合うとは限らず、守備練習やノック待ちの間に熱がこもらないかまで見る必要があります。
- 練習前に乾いた状態で着け心地を確認する
- 途中でずれないか守備練習で試す
- 休憩時に蒸れ具合を触って確認する
- 汗が多い日は予備を持つ
- 練習後すぐに陰干しできるようにする
また、日焼け対策として優秀でも、厚手で熱が抜けない物は真夏の走り込みでは不快感が勝つことがあるので、見た目より通気性を優先し、必要なら時間帯や練習内容で着脱を分ける柔軟さも必要です。
夏場は一枚で万能を狙うより、炎天下用の薄手と通常練習用を分けたほうが快適性が上がり、結果として使用頻度も安定します。
寒い時期はウォームアップとの相性が大切
気温が低い時期のアームカバーは、冷え対策として便利ですが、ただ厚ければよいわけではなく、ウォームアップで体温が上がった後も邪魔にならない生地感かどうかが大切です。
投手なら、肩と肘の温まり方に対して前腕だけが過剰に締め付けられると腕振りの感覚が変わりやすく、野手でも送球前の可動域が窮屈になると本末転倒なので、寒さ対策と動きやすさの両立が必要です。
朝のアップでは有効でも、試合開始後に暑く感じて集中が落ちるなら、最初から試合通しで着ける前提にせず、アップ用として使う選択肢も十分にあります。
冬場は乾きにくくなるため、前日の洗濯後に生乾きで使ってしまうと冷たさが気になりやすく、快適性が大きく落ちるので、気候に応じて予備や乾燥時間を見込んだ管理も必要です。
寒い時期ほど、ただ着けるか外すかではなく、いつ着けるか、どこまで着けるか、何分使うかを調整すると、アームカバーの良さを活かしやすくなります。
試合では見た目と規定の両方を確認する
練習では快適だったアームカバーでも、試合になると色の統一感、ロゴの見え方、左右差、審判や相手からの見え方が気になりやすくなるため、使用前の確認項目を決めておくと安心です。
特に大会では、本人は問題ないと思っていても、チーム方針や大会要項で不可となるケースがあり、試合直前に外すことになると感覚も崩れやすいので、事前準備がそのまま実戦の安定感につながります。
| 場面 | 優先すること | 確認したい点 |
|---|---|---|
| 通常練習 | 快適性 | 蒸れとずれ |
| 練習試合 | 実戦感覚 | 送球と打撃の違和感 |
| 公式戦 | 規定適合 | 色と商標 |
| 遠征 | 管理しやすさ | 予備の有無 |
試合用として使うなら、前日に洗濯して完全に乾かし、ユニフォーム一式と一緒に置いて色味のズレがないか確認し、必要なら監督や顧問、チーム責任者にも事前に共有しておくとトラブルを避けやすいです。
こうした確認は面倒に感じますが、道具そのものの性能より、試合で安心して使える状態を作ることのほうが重要であり、実戦向けの使い分けではこの視点が欠かせません。
よくある悩みへの答え
野球のアームカバーは小さな用品ですが、使い始めると片腕だけでよいのか、ずれてしまう時はどうするのか、本当にパフォーマンスが上がるのかなど、細かな疑問が次々に出てきます。
こうした悩みは、効果を期待しすぎている場合と、サイズや手入れが合っていない場合が混ざって起きることが多いため、感覚論だけでなく原因を切り分けて考えることが大切です。
最後に、購入前後で特に迷いやすい三つのポイントを整理しておきます。
片腕だけで使ってもよいのか
片腕だけの着用は珍しくありませんが、よいかどうかは競技カテゴリーと使用目的で判断すべきで、単に見た目のバランスだけで決めると実用面で噛み合わないことがあります。
たとえば、投げる腕だけ汗や日差しを抑えたい、グラブ側の腕は違和感が嫌だ、打席で前腕の肌当たりだけ整えたいというように、片腕だけで十分なケースは実際にあります。
ただし、前述の通りルール上の扱いは一律ではなく、投手は左右同一の扱いが求められる場合もあるため、公式戦を前提にするなら自己判断で済ませず、所属先の規定確認が欠かせません。
また、片腕だけ着けると体感の差が気になる人もいて、片側だけ落ち着くのが良いと感じる人もいれば、左右差が逆に気になる人もいるので、練習で両方試して比較するのが確実です。
結局、片腕だけか両腕かに正解はなく、ルールに合うことを前提に、自分の感覚とプレー内容に合うほうを選ぶのが最も合理的です。
ずれて気になる時は買い替えだけが解決ではない
アームカバーがずれる時、すぐにサイズ違いを買い直したくなりますが、原因はサイズだけでなく、汗量、着用位置、洗濯による口ゴムの弱り、肌に残った日焼け止めやクリームなど複数考えられます。
そのため、買い替え前に着用位置と手入れ方法を見直すだけで改善することも多く、特に上腕側を必要以上に引き上げすぎていると、肘の曲げ伸ばしで戻ろうとしてずれやすくなります。
- 上腕側を引き上げすぎていないか確認する
- 汗や皮脂を拭いてから着ける
- 洗剤残りで滑りやすくなっていないか見る
- 口ゴムの伸びを点検する
- 使用年数が長いなら交換も検討する
また、洗濯後に乾燥機を使っていたり、強く引っ張って着脱していたりすると、口部分のフィットが弱まりやすく、購入直後は良かったのに急にずれ始めることがあります。
ずれはプレー中の集中を削る代表的な不満なので、サイズだけに原因を決めつけず、使い方と手入れを含めて一度整理すると、無駄な買い直しを防ぎやすくなります。
着ければ球速や痛みが変わると考えすぎない
アームカバーを着けると投げやすい、腕が軽い、安心感があると感じる選手はいますが、それをそのまま球速向上や痛み改善の保証と結びつけるのは危険で、役割を拡大解釈しないことが大切です。
快適性が上がることで集中しやすくなったり、汗や日差しのストレスが減ったりして結果的に動きが安定することはありますが、フォーム、筋力、可動域、投球数、休養の問題を道具だけで埋めることはできません。
| 期待 | 現実的な捉え方 | 必要な対策 |
|---|---|---|
| 球速が上がる | 体感が整う可能性 | フォーム確認 |
| 痛みが消える | 安心感は得やすい | 医療相談と休養 |
| 疲れない | 不快感軽減は期待可 | 投球管理 |
| 全員に合う | 相性差が大きい | 練習で試す |
実際、サポーター系製品でも、痛みを取る物ではないことや、傷害を完全に予防できないことが案内されているため、アームカバーは治療具ではなく、コンディションを整える補助用品として理解するのが適切です。
だからこそ、使って良い感覚があるなら活用しつつ、痛みや投げにくさがある時はフォーム確認や専門家への相談を優先し、道具だけで解決しようとしない姿勢が重要になります。
アームカバー選びで迷わないための整理
野球のアームカバーは、必需品ではないものの、汗対策、紫外線対策、肌当たりの調整、軽いフィット感による安心感など、自分の悩みに合えば十分に価値がある用品であり、必要かどうかは目的が明確かどうかで判断しやすくなります。
選ぶ時は、まずサイズ、次に素材と縫製、その後に色やデザインの順で見ていくと失敗しにくく、試合で使う可能性があるなら、所属カテゴリーの規定を先に確認しておくことが重要です。
手入れでは、中性洗剤でのやさしい洗い方、十分なすすぎ、陰干し、湿気を残さない保管が基本で、ここを丁寧にするだけで、臭い、伸び、型崩れ、ロゴ剥がれをかなり防ぎやすくなります。
結局のところ、野球のアームカバーで後悔しないコツは、流行や見た目ではなく、自分がどの不快感を減らしたいのかを先に決め、その目的に合う一枚を選び、道具としてきちんと手入れして使い続けることにあります。


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